
ウェブトゥーンが漫画と違うのはウェブ小説原作のヒット作品が多いことです。人気ジャンルはロマンス系とアクション系に大きく分けられます。 まず、「ロマンス系(ラブロマンス+ロマンスファンタジー)」の作品数が多い理由について説明してみます。ロマンス系は、ストーリーの葛藤構造を非常に極端に単純化させると、女性主人公が男性主人公と付き合うか、付き合えないかが第一義なので、登場人物構成を単純化することが可能です。それともう一つの特徴は「短編」が多いということです。
例えば「再婚承認を要求します」のウェブ小説は325話で完結しました。これはかなり長く、レアケースです。「私の夫と結婚して」は188話、KAKAOPAGEの「お見合い相手はうちのボス」は本編69話で、「結婚交渉」、「代理新婦」に至っては68話、69話で完結しました。
一方、「アクション系(アクションファンタジーや武侠)」は全体的には長編が多いです。「全知的な読者の視点から」は552話、「華山帰還」に至っては1362話(連載中)になっています。
ロマンス系は短編が多く、完結作品も大量にあるため、ウェブトゥーン化が早期に可能になります。製作過程でも現代ロマンスの場合、膨大なスケールと華麗なアクションが必要なアクション系に比べ、相対的に手間もコストもかからないため、いわゆる「リリースの回転率を高める」ことができます。まさにこの点が「多くの作品を早く制作できる」ということにつながります。
日本のピッコマの上位ランキングを見ると、トップランクには、制作費が高そうなアクションファンタジーがずらりと並びますが、10位以下には女性向けファンタジーが並びます。男性向けは、作品数も少ないですが、売れる確率も低いということになります。
制作会社やプラットフォームは、何故これほど多くのロマンス作品を作ることになったのでしょうか? それはターゲット読者の主な年齢層が20代以上の女性であり、有料決済/購買率が高い消費だからです。プラットフォームの立場から見ると、10代中心に閲読されてきたプラットフォームに20代以上の女性を引き入れることができればメリットは絶大です。この世代向け作品ジャンルは、ドラマ化、映画化、様々な相当な副収入が想定できることで、自然と作品数が増えました。
そもそも、ロマンスファンタジーは人気ジャンルではありませんでした。KAKAOエンターのリュ·ジョンヘマーケティング本部長は先日に開かれた光州ストーリーフェアで「1万人見ていたラブロマンスやロマンスファンタジーがアッと言う間に100万人見るジャンルになったのは読者の方々が能動的に欲したから」と話しました。急激に成長したジャンルと言えましょう。
一方、アクション系は登場人物が多くなければなりません。そのため、ウェブトゥーン化にも少なからぬ努力が必要です。アクション演出などの付加的な部分を除いてもキャラクター設定に手間が掛かり、説得力を持つビジュアルを作るのも難しいし、それができる人も限られています。つまり、製作費が高くなります。
しかし、ウェブトゥーン市場が大きくなってから、ファンタジー-武侠のウェブ小説原作ウェブトゥーン化が進むようになりました。投資する費用が大きい分、リスクも大きいのに、です。現在の市場はそれだけのリスクに負けない、そしてデータ分析によって、ある程度成功する可能性を高めることができるためです。それだけ市場が進化しているということになります。
市場が成長するためには、より多くの作品、より多くの読者が不可欠です。それも、大型予算の男性向けアクションファンタジー系と、小規模予算の女性向けロマンス系がバランス良く存在することが重要です。言い換えれば、豪華なハリウッド映画のようなウェブトゥーン作品と、ミニシアターで上映されるような作品群が混在するこおがが弾力性に富んだ安定的な市場成長を促すのではないかと思われます。