
韓国安養市の研成大学にて「ウェブトゥーンシステム創・制作の現況と未来」というセミナーが開催されました。
第一部は、LINEマンガで大ヒット中の「再婚承認を要求します」の作者であるヒヨリ作家(Mstoryhub)の講演と作画実演が行われました。講演の中で特に印象的だったのは、ウェブトゥーンは多くのスタッフとの共同作業である上で、「責任感と開かれた心」が大切、という点について協調されたことです。要点は以下の通り。
・共同の目標は、「面白い作品を作って売ること」。
・生計を維持するために収入が必要な作家と、作品を製作する実力を備えた人材が必要な会社という両者の必要性に応じて契約を結ぶことが大切。
・自分の実力に自信を持つのも大事だが、相手を尊重する態度が必要。
・作品=私ではなく、業務への真摯な態度が自分の役目である。
・作品の成功可否は自分の力だけではないので、作業物と自分を同一視して過度に悩まないこと。
・作家として作品や作業環境に対する意見を積極的に提示する一方で、他のメンバーの意見を傾聴して受け入れる柔軟な態度が必須。
・作品のアイデンティティを維持するためには作家としてのこだわりが必要だが、面白さを加えて円滑な協業のためには開かれた心も必要。
・自ら自信を持ちながらも、不足する可能性があることを受け入れる。
・時代変化に対応できるように絶え間ない観察と研究が必須。
当たり前のようではあるが、マンガとは異なるウェブトゥーンの制作のメンタリティを説明してくれています。研成大学の学生たちだけでなく、ヒヨリ作家の多くのファンが集まり、真剣に傾聴していました。

第二部では、李ヒョンソク氏が「日本のウェブトゥーンの活況と課題」をはじめ、ウェブトゥーン界で活躍する講師の皆さんの講演がありました。
日本ではこのようなウェブトゥーン専門のセミナーは未だ開催することはほとんどありませんが、韓国では教育の場でウェブトゥーン関連のセミナーやカンファレンスが多く開催され、ウェブトゥーンへの注目の大きさと人材育成に国全体が支援している状況があります。