※WebinJapanでは、昨今日本でのウェブトゥーン作家の増加に応じて、韓国のウェブトゥーンの契約に関する情報を発信してきましたが、今回はKAKAOエンターが、ウェブトゥーン界最大の懸案である重労働問題に対して、措置よりも一歩進んだ契約条項に入れたところが注目されます。 KAKAOエンターテインメント(以下KAKAOエンター)が、クリエイター福祉と健康権強化のための契約書改正案を発表しました。KAKAOエンターのプラットフォームに定期的に連載する全ての作家を対象に2月1日から「休載権」や、分量などの「クリエイター福祉増進」と関連した権利を契約書内に明文化することを主な内容とします。 KAKAOエンターは今回の契約書改正作業を皮切りに、クリエイター福祉増進のための改善策を用意すると伝えました。 今回の契約書改正は、文化体育部が主管するウェブトゥーン共生協議体で12月に発表した共生協約文実践のために行われました。 KAKAOエンターは健康、福祉問題の改善が必要だという問題意識に共感したとし、共生協約文7条に明示された「創作者福祉増進」条項を反映し、契約書上に作家福祉増進条項を新設する一方、休載権と分量関連条項を改正したと明らかにしました。 KAKAOエンターは、従来もクリエイター個人の事情による休載要請時に議論の下、クリエイターが望むだけ休載ができるようにしてきたと説明しました。また、クリエイターの休載は別途の休載政策とは関係なく、すでに制作会社、CP社との契約においても作家間協議を通じて自律的休載ができるよう案内しています。また、直契約作家への健康診断の支援や、シーズン休載、短期休載、慶弔事、コロナ休載など多様な休載政策を運営しています。しかし、これまでKAKAOエンターのプラットフォーム連載作家たちがソーシャルメディア上で休載と関連した作家処遇問題が持続的に提起されてきました。 KAKAOエンターは「(休載政策を維持しているにもかかわらず)契約書上に休載権利をより明確に記載し、積極的にクリエイターの健康と福祉を保護するという趣旨で、今後、ウェブトゥーンとウェブ小説など連載に使われるすべての契約書に『相互協議の下で追加で休載を決めることができる』という条項が明文化されます。「協議」は片方が通知を通じて効力が発生するもので、作家がプラットフォームに休載事実を知らせるだけです。また、ウェブトゥーンの場合「40話基準で休載権2回を保障する」という具体的な文句が明示されます。共生協議体で議論された40~50話(約1年分)当たり少なくとも2回休載権保障内容を反映したとKAKAOエンターは説明しました。 もちろん既存の休載政策はそのまま運営されますが、最初から契約書上に「最小休載日数」が保障される条項です。ただし、この「最小休載条項」が「最大休載」日数にならない雰囲気を作ることが必要で、作家が身体の異常を感じたら、すぐに休める雰囲気が形成されることが何より重要です。 「回別連載分量」に対する条項も改正されます。ウェブトゥーンとウェブ小説共に「作家に負担にならないよう過度な連載分量を要求しない」という内容が契約書に追加されます。KAKAOエンターは「既存にもKAKAOエンターテインメントは連載分量に対する実質的な制限を置かなかったが、次第に高くなるクオリティにもカット数、分量が共に増えていく競争が深化するにつれ、クリエイターが感じる負担を減らし、より安定的な創作環境を作ろうとこのような内容を明文化した。」と明らかにしました。 実質的にカット数を制限するのはむしろ市場活性化を妨害する恐れがあるという立場が反映されたものと見られます。ただし、「過度だ」という分量を作家が直接設定できるかどうかはまだ明確に改善されるかどうかはわかりません。 また、KAKAOエンターは契約書に作品連載最小カット数を既存の60カットから50カットに調整すると明らかにしました。 KAKAOエンターは「実質的に(カット数を)管理したり制裁した事例はないが、負担をより減らすための措置」と説明しました。 KAKAOエンターは契約書改正以後も、文体部で今後「標準契約書」発表時に追加反映が必要な部分は積極的に反映する予定だと明らかにしました。 また、今回の契約書改正作業の他にも共生協約文を忠実に履行する一方、クリエイターと関連関係者、政府などと積極的に議論しクリエイター権利改善案を持続用意する方針です。 KAKAOエンターのファン·ヒョンス・ストーリー部門代表は「KAKAOエンターはコンテンツ産業を代表する企業として持続可能な生態系を造成するために、今まで自主的に履行してきた『創作生態系改善案』と共に文体部のウェブトゥーン共生協議体を通じて改善方案を共に悩んできました。今回の契約書改正作業を皮切りに、今年もクリエイターと政府および関連関係者らと持続的な議論を通じてクリエイターのための色々な実質的な改善策を用意する予定です」と話しています。 今回「健康権」に関する内容が契約書に含まれたという点は鼓舞的だと評価できます。ただ、今回の措置が果たしてどのような効果を出すかは今後見守らなければならないと思います。契約書に明文化されているとしても、それを使える雰囲気が形成されなければ「自律的に」選択しない雰囲気が形成されるためです。 楽しむために見るウェブトゥーンを作る作家たちがより楽しく作品活動ができる雰囲気が作られるか注目されます。 Tweet
※WebinJapanでは、昨今日本でのウェブトゥーン作家の増加に応じて、韓国のウェブトゥーンの契約に関する情報を発信してきましたが、今回はKAKAOエンターが、ウェブトゥーン界最大の懸案である重労働問題に対して、措置よりも一歩進んだ契約条項に入れたところが注目されます。 KAKAOエンターテインメント(以下KAKAOエンター)が、クリエイター福祉と健康権強化のための契約書改正案を発表しました。KAKAOエンターのプラットフォームに定期的に連載する全ての作家を対象に2月1日から「休載権」や、分量などの「クリエイター福祉増進」と関連した権利を契約書内に明文化することを主な内容とします。 KAKAOエンターは今回の契約書改正作業を皮切りに、クリエイター福祉増進のための改善策を用意すると伝えました。 今回の契約書改正は、文化体育部が主管するウェブトゥーン共生協議体で12月に発表した共生協約文実践のために行われました。 KAKAOエンターは健康、福祉問題の改善が必要だという問題意識に共感したとし、共生協約文7条に明示された「創作者福祉増進」条項を反映し、契約書上に作家福祉増進条項を新設する一方、休載権と分量関連条項を改正したと明らかにしました。 KAKAOエンターは、従来もクリエイター個人の事情による休載要請時に議論の下、クリエイターが望むだけ休載ができるようにしてきたと説明しました。また、クリエイターの休載は別途の休載政策とは関係なく、すでに制作会社、CP社との契約においても作家間協議を通じて自律的休載ができるよう案内しています。また、直契約作家への健康診断の支援や、シーズン休載、短期休載、慶弔事、コロナ休載など多様な休載政策を運営しています。しかし、これまでKAKAOエンターのプラットフォーム連載作家たちがソーシャルメディア上で休載と関連した作家処遇問題が持続的に提起されてきました。 KAKAOエンターは「(休載政策を維持しているにもかかわらず)契約書上に休載権利をより明確に記載し、積極的にクリエイターの健康と福祉を保護するという趣旨で、今後、ウェブトゥーンとウェブ小説など連載に使われるすべての契約書に『相互協議の下で追加で休載を決めることができる』という条項が明文化されます。「協議」は片方が通知を通じて効力が発生するもので、作家がプラットフォームに休載事実を知らせるだけです。また、ウェブトゥーンの場合「40話基準で休載権2回を保障する」という具体的な文句が明示されます。共生協議体で議論された40~50話(約1年分)当たり少なくとも2回休載権保障内容を反映したとKAKAOエンターは説明しました。 もちろん既存の休載政策はそのまま運営されますが、最初から契約書上に「最小休載日数」が保障される条項です。ただし、この「最小休載条項」が「最大休載」日数にならない雰囲気を作ることが必要で、作家が身体の異常を感じたら、すぐに休める雰囲気が形成されることが何より重要です。 「回別連載分量」に対する条項も改正されます。ウェブトゥーンとウェブ小説共に「作家に負担にならないよう過度な連載分量を要求しない」という内容が契約書に追加されます。KAKAOエンターは「既存にもKAKAOエンターテインメントは連載分量に対する実質的な制限を置かなかったが、次第に高くなるクオリティにもカット数、分量が共に増えていく競争が深化するにつれ、クリエイターが感じる負担を減らし、より安定的な創作環境を作ろうとこのような内容を明文化した。」と明らかにしました。 実質的にカット数を制限するのはむしろ市場活性化を妨害する恐れがあるという立場が反映されたものと見られます。ただし、「過度だ」という分量を作家が直接設定できるかどうかはまだ明確に改善されるかどうかはわかりません。 また、KAKAOエンターは契約書に作品連載最小カット数を既存の60カットから50カットに調整すると明らかにしました。 KAKAOエンターは「実質的に(カット数を)管理したり制裁した事例はないが、負担をより減らすための措置」と説明しました。 KAKAOエンターは契約書改正以後も、文体部で今後「標準契約書」発表時に追加反映が必要な部分は積極的に反映する予定だと明らかにしました。 また、今回の契約書改正作業の他にも共生協約文を忠実に履行する一方、クリエイターと関連関係者、政府などと積極的に議論しクリエイター権利改善案を持続用意する方針です。 KAKAOエンターのファン·ヒョンス・ストーリー部門代表は「KAKAOエンターはコンテンツ産業を代表する企業として持続可能な生態系を造成するために、今まで自主的に履行してきた『創作生態系改善案』と共に文体部のウェブトゥーン共生協議体を通じて改善方案を共に悩んできました。今回の契約書改正作業を皮切りに、今年もクリエイターと政府および関連関係者らと持続的な議論を通じてクリエイターのための色々な実質的な改善策を用意する予定です」と話しています。 今回「健康権」に関する内容が契約書に含まれたという点は鼓舞的だと評価できます。ただ、今回の措置が果たしてどのような効果を出すかは今後見守らなければならないと思います。契約書に明文化されているとしても、それを使える雰囲気が形成されなければ「自律的に」選択しない雰囲気が形成されるためです。 楽しむために見るウェブトゥーンを作る作家たちがより楽しく作品活動ができる雰囲気が作られるか注目されます。 Tweet